「いつか部屋に絵を飾ってみたい」
そう思いながら、なかなか最初の一枚を選べずにいる方もいるのではないでしょうか。
アートを買うとなると、
「どんな作品を選べばいい?」 「原画とプリントは何が違う?」 「部屋に合うサイズは?」 「額は必要?」 「どこで買えばいい?」
と、急に考えることが増えてしまいます。
でも、自分の家に飾るアートを選ぶために、美術の専門知識が必要なわけではありません。
まずは、
「この絵、好きだな」
と思える一枚を見つけること。
絵のある暮らしは、そこから始められます。
今回は、初めてアートを購入するときに知っておきたいことを、原画とアートプリントの違い、サイズ、飾る場所、額装、購入方法まで順番にご紹介します。
1.最初の一枚は「説明できる絵」でなくていい
アートを選ぶとき、
「なぜこの作品が好きなのか、きちんと説明できなければいけない」
と思う必要はありません。
色が好き。
なんとなく目が離せない。
部屋にあったら気持ちよさそう。
見ていると落ち着く。
逆に、少し不思議で気になる。
そんな感覚から選んでもいいのです。
特に抽象画の場合、「何が描いてあるのか」を理解してから買う必要はありません。
以前の記事でも触れたように、抽象画には一つだけの見方があるわけではありません。
毎日見るものだからこそ、自分の目が自然と戻っていく作品 を探してみてください。
2.原画とアートプリント、どちらを選ぶ?
初めてアートを購入するときに迷いやすいのが、
原画にするか、アートプリントにするか
ということです。
どちらが上というものではありません。
楽しみ方が違います。
原画の魅力
原画は、作家が実際に制作したその一枚です。
アクリル画なら、絵具の厚み、筆や道具の跡、盛り上がり、キャンバスの質感などを直接見ることができます。
光の当たり方によって、絵具の凹凸や色の見え方が少し変わることもあります。
そして何より、基本的に同じ原画はもう一枚ありません。
「この一枚そのものを持つ」
ことが、原画ならではの楽しみです。
原画では、絵具そのものの表情を楽しめる
原画の魅力のひとつは、画面上の色だけではなく、絵具そのものの質感を間近で見ることができることです。
アクリル絵具を重ねて制作すると、厚く盛り上がった部分、薄く伸びた部分、異なる色が重なりながら筋として残った部分など、一枚の画面の中にもさまざまな表情が生まれます。
筆や道具を動かした跡も完全には消えません。
それらは単なる「色」ではなく、作品が作られていった過程そのものでもあります。
写真やアートプリントでは色や構図を楽しむことができますが、原画を近くで見ると、さらに凹凸や絵具の重なり、光を受けたときの表情 まで見えてきます。
遠くから眺めたときと、近づいて見たとき。
同じ一枚が違った表情を見せてくれることも、原画を所有する楽しみのひとつです。
Symphony Verdant Veils (048)
アートプリントの魅力
一方、アートプリントには別の良さがあります。
原画より大きなサイズで楽しんだり、部屋に合わせてサイズや素材、額を選んだりできます。
「この作品は好きだけれど、原画は小さい」
という場合にも、プリントならインテリアに合った大きさで飾ることができます。
つまり、
原画は「作品そのもの」を楽しむ選択。
プリントは「好きな作品を自分の空間に合う形で楽しむ」選択。
と考えてみると分かりやすいでしょう。
3.小さな原画から始めるという選択
Etoupe Abstractsの小さなアクリル原画は、主に
152 × 102 mm
というコンパクトなサイズです。
約15 × 10cm。
「アートを買う」という言葉から、大きなキャンバスを想像していた方には、かなり小さく感じられるかもしれません。
でも、最初の一枚にはこの小ささが便利です。
デスクの上。
本棚。
玄関。
チェスト。
ベッドサイド。
小さな壁面。
大掛かりに部屋を変えなくても、ちょっとした場所から絵のある暮らしを始められます。
大きな壁に一枚を飾ることだけが、アートの楽しみ方ではありません。
いつも目に入る小さな場所に、自分の好きな一枚を置く。
それも十分に「絵のある暮らし」です。
Vivid Benediction (200)
4.大きく飾りたいなら、アートプリントという方法も
反対に、
「ソファの上に飾りたい」
「リビングの白い壁を生かしたい」
「もう少し存在感がほしい」
という場合は、アートプリントが選択肢になります。
Etoupe Abstractsの作品は、ArtgeneやSaatchi Artでもアートプリントとして展開しています。
プリントなら、原画とは違うスケールで作品を見ることができます。
小さな原画では凝縮されていた色や形が、大きくなることで別の印象を見せることもあります。
Vivid Benediction (200)
5.プリントは「紙に印刷したもの」だけではない
アートプリントと聞くと、紙に印刷されたポスターのようなものを想像する方もいるかもしれません。
実際には、販売先によってさまざまな選択肢があります。
Artgene ではジークレー印刷 による作品を選ぶことができます。
また、Saatchi Art のArt Printでは、作品によって以下の素材を選択できます。
Canvas
Fine Art Paper
Acrylic
Metal
素材によって、同じ作品でも印象が変わります。
Canvasなら絵画らしい存在感。
Fine Art Paperなら紙ならではの繊細な見え方。
Acrylicならすっきりとした現代的な印象。
Metalならシャープでモダンな雰囲気。
「どの作品にするか」だけではなく、
「どんな素材で見たいか」
まで選べるのもプリントの面白さです。
6.サイズは「壁の大きさ」だけで決めない
アートのサイズを選ぶとき、壁の寸法を測ることはもちろん大切です。
でも、それだけで決める必要はありません。
まず考えたいのは、
どこからその絵を見ることが多いか
です。
デスクなら、かなり近い距離から見ます。
玄関なら、通るたびに短い時間だけ見るかもしれません。
リビングなら、ソファから数メートル離れて見ることもあります。
近くで見る場所なら小さな原画でも十分存在感があります。
反対に、広いリビングで遠くから見るなら、大きめのプリントの方が作品の色や構図を楽しみやすくなります。
「大きい方がいい」「小さい方がおしゃれ」と決めるのではなく、
見る距離と場所からサイズを考える。
これが一つの目安になります。
7.どこに飾る? 最初は「よく見る場所」がおすすめ
初めて買った作品をどこに飾るか。
私は、来客から一番よく見える場所より、
自分がよく見る場所
から考えるのもよいと思います。
たとえば、毎朝使うデスク。
コーヒーを飲む場所。
玄関で靴を履くときに目に入る壁。
寝室のチェスト。
一日の中で何度も通る場所。
アートは誰かに見せるためだけのものではありません。
せっかく自分で選んだ一枚なら、自分自身が楽しめる場所に置いてみてください。
季節や気分によって場所を替えるのも楽しいものです。
8.額は必要? 原画とプリントで考え方が違う
作品を選んだあとに出てくるのが、額装の問題です。
「額がないと飾れない?」
という疑問もあるでしょう。
必ずしもそうではありません。
作品の仕様や飾り方によって変わります。
小さな原画なら、額装して壁に飾るだけでなく、棚やイーゼルなどを利用する方法もあります。
額装する場合は、前回の記事でご紹介したように、
白い額 なら壁になじませる。
黒い額 なら作品の輪郭をはっきりさせる。
ナチュラルウッド なら家具や床とつなぐ。
シルバー系 ならブルーやグレー、モダンな空間と合わせる。
ゴールド系 なら暖色や作品内の金色を拾う。
と考えることができます。
額そのものを豪華にすることが目的ではありません。
作品と部屋の間をつなぐもの
として選ぶと分かりやすくなります。
9.Saatchi Artなら、額まで選べるプリントも
Saatchi ArtのArt Printでは、素材によってサイズや額装の選択肢も変わります。
Canvas は40.6 × 30.5 cmのサイズで、キャンバス地は白または黒。フレームなしのほか、白または黒のフレームを選択できます。
Fine Art Paper は30.5 × 22.9 cm、50.8 × 38.1 cmから選択でき、フレームなしのほか、
黒 白 ナチュラルウッド Light Pewter(明るい銀白色) Dark Pewter(深みのある銀灰色)
といった選択肢があります。
AcrylicとMetal は30.5 × 22.9cmで、フレームなしです。
※選択肢や仕様は変更される可能性がありますので、購入時には各販売ページで最新情報をご確認ください。
こうしたサービスを使えば、
「作品は好きだけれど、自分で額を探すのが難しい」
という場合にも選びやすくなります。
10.予算は「作品価格」だけで考えない
初めてアートを購入するときには、予算も気になるところです。
ここで忘れやすいのが、
作品以外にも費用が発生する場合があること
です。
たとえば、
額装費
配送料
海外サイトの場合の送料やその他の費用
飾るための金具など
です。
原画とプリントを比べるときも、表示されている作品価格だけで判断せず、最終的に自宅へ届いて飾れる状態までにいくらかかるか を確認すると安心です。
逆に言えば、
「原画は高そうだから無理」
「海外サイトだから高そう」
と最初から決める必要もありません。
サイズや作品、プリントの仕様によって価格は変わります。
まず実際の選択肢を見てから考えてみてください。
11.Etoupe Abstractsの作品はどこで購入できる?
Etoupe Abstractsでは、作品の種類によって複数の購入先があります。
小さなアクリル原画 を購入できます。
実際に制作された一点ものを手元に置きたい方、小さなサイズからアートのある暮らしを始めたい方に向いています。
原画とArt Print を購入できます。
海外のアートプラットフォームなので、Etoupe Abstracts以外のさまざまな作家の作品も見ながら選ぶことができます。
作品によってArt Printの素材や額装を選択できることも特徴です。
Etoupe Abstractsの作品をジークレー印刷のアートプリント として楽しむことができます。
原画とは違うサイズ感で作品を飾りたい場合の選択肢になります。
12.オンラインでアートを選ぶときに確認したいこと
実物を見ずにアートを購入するのが少し不安、という方もいるでしょう。
その場合は、作品画像だけでなく、
サイズ 素材 原画かプリントか 額装の有無 配送条件
なども確認してみてください。
そして可能なら、額装イメージや部屋に飾ったイメージも参考にします。
ただし、画面上の大きさだけで判断すると実寸を勘違いしやすいため、購入前には定規やメジャーを使って、実際のサイズを壁の前で確認する ことをおすすめします。
オンラインでも、部屋に飾ったイメージを確認できる
オンラインでアートを選ぶときに難しいのが、
「この絵を実際に自分の部屋へ飾ったら、どんな感じになるだろう?」
ということです。
作品画像だけを見ていると素敵でも、壁に対してどのくらいの大きさに見えるのか、家具や部屋の雰囲気に合うのかは、なかなか想像しにくいものです。
Saatchi Art では、こうしたときに便利なAR(拡張現実)を使った「View In My Room」機能 があります。
対応する作品ページからこの機能を利用すると、表示されたQRコードをスマートフォンで読み取り、スマートフォンやタブレットのカメラを使って、作品を実際の自分の部屋の壁に飾ったような状態で確認することができます。
たとえば、
「ソファの上に置いたらどう見える?」 「この壁には大きすぎない?」 「白い壁にこの色は合う?」 「家具とのバランスはどうだろう?」
といったことを、購入前にイメージしやすくなります。
実物を目の前に置くのとはもちろん異なりますが、オンラインで作品を選ぶ際のサイズ感や飾ったときの雰囲気を確認する参考 になります。
アートを初めて購入するときには、作品そのものを気に入っていても、
「自分の部屋に似合うか分からない」
ということが最後の迷いになるかもしれません。
そんなときは、作品画像を見るだけでなく、こうしたバーチャル体験も利用しながら、「この絵が自分の暮らしの中にある風景」まで想像してみる のもおすすめです。
そのうえで、実際の作品サイズも必ず確認しましょう。ARでの見え方とあわせて、メジャーで壁を測ったり、作品と同じ大きさの紙を壁に当ててみたりすると、より具体的にイメージできます。
13.「部屋に合う作品」より「毎日見たい作品」
インテリアの記事を書いていると、
「この色の壁には、この色の作品」
「この家具なら、この額」
といった組み合わせをご紹介することがあります。
もちろん、それもアートを選ぶ楽しみです。
でも、初めての一枚については、もう一つ大切にしてほしいことがあります。
その作品を、自分が毎日見たいと思うかどうか。
完璧にソファと色が合っていても、本人があまり好きではない作品なら、長く飾りたいとは思わないでしょう。
逆に、
「なぜかこれが好き」
と思った作品なら、あとから額や置き場所を考えることができます。
インテリアにアートを合わせることもできますが、
好きなアートに合わせて、部屋の一角を作る
という順番があってもいいのです。
14.最初から「一生もの」を探さなくてもいい
初めてアートを買うとき、
「絶対に失敗したくない」
と思うかもしれません。
でも、最初から一生飾り続ける一枚を探す必要はないと思います。
季節が変われば、好きな色が変わることもあります。
引っ越せば、飾る場所も変わります。
何枚か作品が増えれば、春と秋で掛け替えたり、別の部屋へ移動したりするようになるかもしれません。
最初の一枚は、
自分がアートと暮らし始める一枚。
それくらいに考えてみてはいかがでしょう。
絵を買うことは、自分のために景色を一つ選ぶこと
アートを購入するというと、少し特別なことに聞こえます。
でも実際には、
好きな花を飾る。
気に入った器を使う。
好きなクッションをソファに置く。
それと少し似ているのかもしれません。
違うのは、一枚の絵がそこにあることで、何度も見るものが生まれることです。
朝と夜で違って見える。
晴れた日と雨の日で違って見える。
最初は気づかなかった色を、数か月後に見つける。
そんな小さな発見が積み重なっていきます。
原画でも、アートプリントでも構いません。
大きくても、小さくても構いません。
有名な作品である必要もありません。
まず、
「これを自分の部屋で見ていたい」
と思える一枚を探してみてください。
絵のある暮らしは、その一枚を選ぶところから始まります。
Verdant Portal (043)
「BASE で原画を見る」 「Saatchi Art で原画・Art Printを見る」 「Artgene でジークレー額装プリントを見る」