一枚のアクリル画をアートプリントにするとき、私は原画の画像をそのまま印刷用データとして登録しているわけではありません。
作品のどこを画面の中に残すのか。
どの縦横比が、その作品らしさを最も引き出してくれるのか。
どんな額縁を合わせるのか。
作品と額の間に入るマットには、どんな色と幅を選ぶのか。
Etoupe AbstractsでArtgene に掲載しているアートプリントは、こうした一つひとつの選択を重ねながら仕上げています。
今回は、実際に「Violet Reverie (195) 」をArtgeneへ掲載する過程を例に、原画の画像がひとつの「飾るアート」になっていくまでをご紹介します。
原画をそのまま縮小するのではなく、「どこを作品として見せるか」を考える
最初に行うのが、印刷に使用する範囲の調整です。
原画を撮影した画像には、作品そのものだけでなく、周囲の白いキャンバス地が含まれます。
Artgeneの編集画面では、画像をトリミングし、プリントとして見せたい部分を選んでいきます。
ここで私が大切にしているのは、単純に不要な部分を切り落とすことだけではありません。
抽象画の場合、トリミングによって画面の印象そのものが変わることがあります。
どこに視線が向かうか。 色の密度をどのくらい残すか。 絵具の流れをどこで切るか。 余白を残すか、画面いっぱいに色彩を広げるか。
つまり、トリミングもまた、アートプリントを仕上げるための構成の一部だと考えています。
作品に合う「縦横比」を選ぶ
次に考えるのが、作品の縦横比です。
Artgeneでは、1:1、3:2、4:3、5:4、16:9、2:3、3:4、4:5、9:16など、さまざまな比率から選択できます。
同じ作品でも、横に広く見せるのか、少し正方形に近づけるのかによって印象は変わります。
「Violet Reverie (195)」では、紫、白、淡いブルーの絵具が花びらのように幾重にも重なっています。
この密度感を残しながら、壁に飾ったときにも窮屈に見えないバランスを探していきます。
ここで大切なのは、原画の形を機械的に再現することではなく、プリントという新しいサイズになったときに、その作品が最も美しく見える構図を考えること です。
額縁は、作品の「外側」にあるもう一つの色
構図が決まったら、次はフレームを選びます。
Artgeneでは、木製のブラック、ホワイト、ナチュラル、ブラウン、アルミ系など、複数のフレームから作品に合うものを選ぶことができます。
額縁は、単に作品を囲むためのものではありません。
黒いフレームを合わせれば、淡い作品にも輪郭が生まれます。
白なら、作品と壁の間を軽やかにつなぐことができます。
ナチュラルウッドなら、色彩の強い作品にも柔らかな温かさを加えられます。
「Violet Reverie (195)」のような柔らかな紫と白を中心とした作品なら、ナチュラル系のフレームを合わせることで、ロマンティックになりすぎず、穏やかなインテリアにも取り入れやすくなります。
一方、黒いフレームを選べば、同じ作品でもぐっと引き締まり、モダンな印象になります。
額を変えるだけで、同じ絵が違う表情を見せる。
これも額装アートの面白さです。
マットの色と幅で、作品の「呼吸」が変わる
さらに細かく調整するのが、作品とフレームの間に入るマットです。
Artgeneではマットの色だけでなく、余白のサイズも選択できます。
今回の画面では、白系をはじめ、マーメイド、しもねずみ、利休、黒など、さまざまな選択肢が表示されています。
さらに余白も、小・中・大・特大と変えることができます。
この余白は、実は作品の見え方を大きく左右します。
余白を広く取ると、作品の周囲に静かな空間が生まれ、色や形をゆったり眺められるようになります。
反対に余白を小さくすれば、作品そのものの存在感が強くなります。
私はここでも、「どれが豪華に見えるか」ではなく、作品がいちばん自然に呼吸できるのはどの組み合わせか を考えて選んでいます。
「Violet Reverie (195)」の額装イメージが完成
構図、縦横比、フレーム、マット。
それぞれを調整すると、Artgeneの画面上で額装された状態を確認できます。
原画だけを見ていたときとは、少し印象が変わったのではないでしょうか。
額と余白が加わることで、作品の周囲にもう一つの空間が生まれます。
原画では絵具そのものの質感や筆跡を間近で楽しむことができますが、額装プリントには、作品をインテリアの中で一つの景色として楽しめる魅力があります。
私は原画とアートプリントを、どちらが上というものではなく、それぞれ違う楽しみ方を持つものだと考えています。
Artgeneでは、ご希望に合わせたカスタムもできます
Etoupe AbstractsのArtgene 掲載作品には、私が作品ごとに選んだ基本の額装仕様があります。
ただし、
「黒いフレームにしたい」 「ナチュラルな木製フレームがいい」 「マットをもっと広くしたい」 「この作品を縦長ではなく横長で飾れないだろうか」
など、ご希望がある場合には、作品に応じてカスタムした形をご相談いただくこともできます。
額縁の色や素材、マットの色やサイズ、作品の縦横比などによって、同じ作品でもかなり雰囲気が変わります。
お部屋の壁や家具の色、飾りたい場所の広さなどが分かれば、それに合わせて一緒に考えることもできます。
「この絵が好きだけれど、今の額装が自宅に合うか分からない」という場合も、どうぞお気軽にお問い合わせください。
Saatchi Artでは、購入時に自分で仕様を選ぶ楽しみも
Etoupe Abstractsの作品は、Saatchi Art でもアートプリントとしてご覧いただけます。
Saatchi Artの場合は、購入される方ご自身が、用意されている選択肢の中から作品サイズや印刷素材、フレームの有無などを選んで注文できます。
作品によって利用できる仕様は異なりますが、アートプリントではCanvas、Fine Art Paper、Acrylic、Metalなどの素材から選べる場合があり、Fine Art Paperではフレームの種類も選択できます。
つまり、Artgeneでは私が作品に合う額装を考えて基本のスタイルを作り、必要に応じてご相談を受けながらカスタマイズする。
Saatchi Art では、購入される方がサイト上で用意された仕様を組み合わせながら、自分の空間に合う一枚を選んでいく。
それぞれ違った楽しみ方があります。
Saatchi Artは英語での注文になりますので、
「この作品なら、どの素材が合う?」 「どのサイズを選べばいい?」 「フレームはどれがいい?」
など迷われた場合は、Etoupe Abstractsのお問い合わせからご連絡ください。
できる範囲で、作品に合う選び方をご案内いたします。
アートプリントは、「印刷する」だけではなく「飾る姿をつくる」
一枚の原画をアートプリントにするまでには、意外とたくさんの選択があります。
構図を決める。 縦横比を考える。 フレームを選ぶ。 マットの色を合わせる。 余白の広さを決める。
私はこの工程を、原画を単に複製するための作業ではなく、その作品が別のサイズ、別の空間で生きるための仕上げ だと考えています。
原画には、絵具の厚みや筆跡、手仕事そのものを感じられる魅力があります。
アートプリントには、好きな作品を自分の部屋や飾る場所に合わせたサイズとスタイルで楽しめる魅力があります。
「この作品を、自分の部屋ならどんな額で飾ろう?」
そんなところからアートを選んでみるのも、絵のある暮らしの楽しみ方の一つです。
Etoupe Abstractsでは、Artgene 、Saatchi Art でアートプリントをご覧いただけます。
額装やサイズ選びで迷われたときは、お気軽にお問い合わせください。
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